
上記の1〜3の症状の中で、少なくとも1つ以上を主症状とする疾患で、症状や原因から病態を分類して診断します。診断には、CTやMRIを必要とすることもありますがかなり少数です。
当科では年間100人ほど新患で来院されています。
大開口後、口腔習癖(歯ぎしり、くいしばりなど)、不正咬合(歯並びを含む)、外傷、社会的ストレスなど様々であり、原因をひとつに絞るのは難しい疾患です。
顎関節症は咀嚼筋およびその周囲の軟組織、関節円板の障害と関節頭の変形のいずれかおよび複数の原因がありますが、どれも痛みや開口障害に対しての治療が主体であり、関節の音に関しては完全には消えないことがほとんどです。しかしながら、日常生活にほとんど支障がないくらいに回復します。
夜間寝ているとき上顎にプラスチックを装置し、あごをリラックスした状態に保ちます。基本的に日中は使用する必要はありません。調整が必要になりますので、来院時には必ず持参してください。
痛みが強い、筋肉が緊張していて口が開きにくいといった症状があるときには、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を用います。副作用や内服している薬によっては処方できない場合がありますので、薬の内容は担当医におたずねください。
1〜3の保存的治療ではなかなか良くならない場合は、外科的治療を必要とする場合があります。外科的治療としては、パンピングマニピレーション、顎関節洗浄療法、関節円板切除術などがありますが、ほとんどの症例では保存的治療で良くなっています。
最近では歯列接触癖(Tooth Contacting Habit=TCH)が症状憎悪因子のひとつとされています。安静時、上下の歯は1〜3mm程度空いていますが、TCHがあると会話や食事をしていなくても上下の歯が接触しています。TCHにより、顎関節周囲の筋肉の疲労や関節に無理がかかり、痛みが出現します。治療法につきましては、受診の際にご説明いたします。
歯並びや顎変形症(あごの変形)がある方は、歯の矯正治療や顎矯正手術の適応になることがあります。顎変形症についてはこちらをご覧ください。(顎変形症のページへ)
顎関節症は、腫瘍、炎症、神経痛や頭痛などとの鑑別が重要です。また、経過が長くなると治療に時間がかかることもありますので、「顎関節症かな」と思いましたら、一度ご相談ください。