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麻酔科(ペインクリニック)

 麻酔科の診療業務の中心は一般的に周術期麻酔管理(手術麻酔と術前術後の管理)ですが,当院は急性期病院ではないため全身麻酔は行っておらず,「痛み(ペイン)」に関する診療を行っています。痛みでお困りの方は当科にご相談ください。

当院麻酔科の方針

 「痛み」は感じ方に個人差があり,同じ病気かつ痛む部位まで同じであっても,その程度は人により異なります。そのため,病態把握のため特に初診時には時間を割いて問診を行い,痛みの原因や痛みを修飾する要素(心理社会的因子)を見極めます。患者さんの精神心理状態・社会生活の状態・日常生活の活動度を考慮し,日常生活のQOL(生活の質)を向上することを目標に治療していきます。

慢性疼痛の治療としては,以下の3つの方法があります。

  1. “下行性疼痛抑制系(痛みを抑えるシステム)”を活性化するように日常生活を送る。
    ⇒仕事・家事・運動・趣味などの活動を行う(ふさぎこんで動かないのは×)。
  2. 病院で処方された鎮痛薬を飲む。
  3. (適応があれば)神経ブロック注射をする。

※Aの中には,一般的な鎮痛薬の他,“下行性疼痛抑制系”を活性化する機序の薬もあります。また,当科では積極的に漢方薬も併用しております。

特に,@が重要ですので,当科では痛みのある患者さんの考え方や行動の仕方を一緒に見直し,痛みの機序と痛みとの付き合い方をお話しすることで,気持ちの安定と生活の充実を図ることを目指しています。
受診前に,このページの最後に記載の〜慢性疼痛の考え方〜の説明用紙をお渡ししております(問診表と一緒にお渡しし,待ち時間を利用して読んでいただいています)。

ご予約について

完全予約制のため,初めて受診される方も予約が必要です。
※他医療機関にかかっている方は原則診療情報提供書が必要です。

当院に初めてかかられる方・診療情報提供書(紹介状)をお持ちでない方

 お電話にてご予約ができません。
 下記外来診療担当表の受付時間内に,受付E番窓口へお越しください
 (原則,当日診療は対応できません。予約日の調整を行います)。


診療情報提供書(紹介状)をお持ちの方,当院にかかられたことがある方
 お電話にてご予約が可能です。
 下記外来診療担当表の受付時間内にお電話ください(予約日の調整を行います)。

注意事項(初診時に必要な物)

  1. 直近の血液検査データ
    かかりつけ医での血液検査や健診結果を持参してください。腎臓の機能により処方量の制限があるためです(薬剤過量投与防止)
  2. おくすり手帳
    他院での処方を把握するためです(相互作用や重複防止のため)
  3. 待ち時間対策物品(本・携帯電話など)
    ペインクリニックに通院する患者さんの一人あたりの診療時間は長くなることがあるため,待ち時間が長くなる可能性があります。そのため,待ち時間のストレスを軽減できるような物(本・携帯電話など)の持参をお願いしております。もちろん,可能な限り待ち時間を少なくする努力をしておりますが,ご理解の程宜しくお願い致します。

外来診療担当医表

2025.12.1現在

科別 診察室 午前
午後
受付
時間
麻酔科 完全
予約制
午前 9:00

11:30
- - - (10:00〜12:00)
川ア政紀
(9:30〜12:00)
川ア政紀
午後 13:30

15:30
(14:00〜16:00)
川ア政紀
- (14:00〜16:00)
川ア政紀
- -
※完全予約制ですので,事前にご連絡ください。かかりつけ医のある場合は,まずはかかりつけ医へご相談ください。
※帯状疱疹に関しては,“上越地域帯状疱疹治療センター”のページをご参照ください。

慢性疼痛の考え方

 人間の脳・体には,“下行性疼痛抑制系”という痛みを抑えるシステムがあります。例えば,国を背負って戦っている日本代表のスポーツ選手が,試合中に大ケガをしてしまっても,最後までやり切ることってありますよね?これは,試合中にそのシステム(痛みを止めるシステム)がフル稼働しており,痛みを感じにくくなっているからです(例えば,ノルアドレナリンのようなホルモンの作用によります)。試合後に病院を受診して診断された後は痛みを強く感じることも多いです(試合が終わっているので,痛みを止めるシステムをフル稼働できません)。
 “痛い痛い”と感じてしまうと,逆にその痛みを止めるシステムにブレーキをかけてしまうことになり,さらに痛みが増強されてしまいます。そのため,慢性疼痛で苦しむ人は,できる限り痛いことを気にせず生活すること自体が治療になります(もちろん痛くて辛い中そう考えるのは大変だとは思いますが!)。具体的には,『趣味に没頭する』『体を動かす』『痛みに関して深く考えない(癌のように命に関わる病気ではないから大丈夫!と前向きに考えることも重要です)』などが治療になります。また,趣味をしたり体を動かすことによって,痛みの部位の血流が良くなり,痛みも軽減します。
 神経ブロック注射は,1度の注射だけでも,『痛みの流れを一時的に断ち切る⇒痛い部分を動かせるようになる⇒血流が良くなり痛みが改善する』などの効果があるため,注射薬の効果時間以上に効果が続くこともよくあります(薬の効果自体はたかだか数時間ですが,効果は1週間・1ヶ月・半年・1年と続く方もいます)。ただし,全ての痛みが神経ブロックの適応になるわけではなく,メリット(鎮痛効果)がデメリット(合併症などのリスクなど)を上回る時のみ行います。

 慢性疼痛は,痛みをゼロにすることは難しいことが多いですが(もちろんゼロにできる場合もあります),治療することにより“少しでも”痛みが良くなれば良い傾向と捉えるようにしてください。一緒に痛みに向き合い,少しでも痛みから解放される時間を過ごせるようにしていきましょう。

麻酔科部長  川ア政紀